気づけば、誰もが妥当な正解を持てる時代になった
問いを立てる前に、答えが表示される
迷いは、最適解という名の安心で包まれていく
だが、静けさの中で
ふと、選ぶという行為そのものが
自分から離れていくように感じる瞬間がある
では、なにが残るのか?
記憶される知識でもなく
交換可能なスキルでもなく
与えられた肩書きでもない。
どんな正しさにも置き換えられない
たった一つの物語だけが、そこに残る
それは、誰かに見られない日々に宿る
朝、まだ暗いうちに目を覚ますこと
言葉にならない衝動を、
そっとノートに置いてみること
静かな呼吸のそばで、
まだ見ぬ未来を思い描くこと
他人には意味を持たない時間。
けれど、その積み重ねが
確かに、何かをつくっている
発信とは、光を浴びるためではなく
誰かと心を重ねるための行為へと変わりつつある
目立たずとも
正しさがなくとも
そこに静かな誠実さがあるなら
きっと、届くべき場所へとたどり着く
選ぶことは、錯覚かもしれない
それでも、選び続けようとする意思に
確かな人間らしさが宿る
完璧でなくていい
正確でなくていい
ただ、その瞬間に向き合い続けること
それが、意味をつくるということなのかもしれない
最後に、
かつて、あなたが
誰かの言葉に救われた瞬間を覚えているだろうか
もし思い出せたなら
その沈黙に
あなたの声を添えてもいいかもしれません